文豪・太宰治の代表作でもある『走れメロス』。
義務教育課程において必ずと言って良いほど触れる内容なので、小・中学生の夏休みなどの読書感想文の課題図書として出される事と思われます。
走れメロスはもはやありきたり過ぎて、宿題をやるのが面倒だという人が一夜漬けで課題をこなしたい人の為の本のようにも個人的に思えてしまいます。
(自分はこのタイプかも…笑)
社会に出てしまうと損得勘定で人と付き合ってしまう事もあり、学生時代のような純粋な友情を育んでいく機会も減ってくる事だと思います。
そういった中で、この物語の登場人物である暴君ディオニスとまではいかないものの、心から人を信じられなくなってしまう事もあるかもしれません。
読書感想文の課題図書として書く事もそうですが、大人になった際に再び読み直してみる事で、かつてあった純粋な気持ちに触れてみる機会であるとも思うので、読み返してみてはいかがでしょうか?
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目次
走れメロスあらすじ
自身の親族や派手な暮らしをし命令に背く者らを手にかけ、暴君化した王ディオニスに対しメロスは激怒した。
王は、終いには自信の世継ぎをも手にかけてしまうほど人間に対しての疑心暗鬼が高まっていた。
そんな王を見かねてメロスは王の乱心を止め、買い物を背負いながら王から民を守るべく一人王城に入る。
がしかし、短剣を所持していたため、あっさりと警吏(警察)に捕まってしまい、騒ぎが大きくなってしまい王の元へ差し出される。
顔面蒼白な王を前に、正義心からメロスは暴君の限りを尽くす王に歯向かい、あわや磔にされてしまいそうになる。
メロスには結婚式を間近に控えた妹がいる。
両親もおらず、たった一人の家族である妹に亭主を持たせる事が唯一の願いだと王に伝え、三日間だけの猶予を懇願するも王は認めない。
代わりに幼馴染であるセリヌンティウスを自身の人質とし、三日目の暮れまでにメロスが王城へ戻ってこれなかった場合セリヌンティウスを処刑してもよいという約束を王と交わした。
王は了承したものの、叶うはずが無いと高をくくっていたが、そんな王をよそにメロスは妹がいる村へと一睡もせず全力疾走で走り、次の日の午前に村に到着した。
メロスは疲労困憊の状態で村に着いた。
よろめいて歩いてくる兄にメロスの妹は驚き、兄に対してうるさく質問を浴びせたが、メロスは「市に用事を残してきた。またすぐに帰らなくてはならない」と告げ、頑なに承諾をしてくれない牧人を説得し、その甲斐あって真昼に結婚式を行う事となった。
祝宴は陽気に歌を歌い、乱れ華やかになり、その間メロスは王との約束を一時忘れてしまう程だった。
メロスは妹を花婿に託し、身支度を済ませて王都へと向かったが、途中小ぶりの雨が降りながらも残り僅かな命をもって、矢の如く雨中を走り抜けた。
しかし、前日の豪雨によって水源地が氾濫し、村に来た際にはあった橋が破壊されてしまい、立ちすくんでしまった。
それでも友との約束を果たすべく覚悟を決め、激しく荒れ狂う川を渡り切り、さらに山賊に道を塞がれながらも山賊が持っていた棍棒で殴り倒し、一気に峠を駆け下り、王と友セリヌンティウスの待つ王都へと向かう。
荒れ狂う濁流を泳ぎ切り、三人の山賊を打ち倒すも、疲労もありついにメロスは道中半ば力尽きてしまう。
メロスはそんな自分の不甲斐なさを悔いつつも、疲労も加わってか四肢を投げ出してしまい、うとうとと、まどろんでしまった。
そこでふと、水の流れる音がメロスの耳に入ってきた。
メロスは岩の列目から流れてくる湧水に気づき、両手ですくい一口飲むと力が湧き希望が生まれた。
力を振り絞り、磔にされている友セリヌンティウスの元へと歩みを進める。
途中、セリヌンティウスの弟子の若い石工に尋ねられ、自身のみの危険を案じるよう諭されたが、メロスは友人との約束を守るため振りほどく。
メロスは日が暮れる直前にセリヌンティウスの元に辿り着いた。
メロスとセリヌンティウスはひしと抱き合い、互いに嬉し泣き、声を放って泣いた。
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読後の感想
これから読書感想文を控えていたり、大人になってから再び走れメロスを読み直してみたいという方向けにあらすじをまとめてみました。
各所で読み継がれているので、内容に関してはよく覚えているという方も多いのではないでしょうか?
そういえば以前、ある中学生が自由研究でメロスが走った距離から「どのくらい全力疾走したか?」といった検証を行っていたのを思い出しますw
実はメロスは全力で走っていなかったとか。。。
名作が現代でこういった解釈をされると何とも言えませんよね^_^;
メロスは王と竹馬の友であるセリヌンティウスとの約束を守るために奔走する様はグッとくるところがあるかもしれません。
ただ、結果的にハッピーエンドで終わるものの、これまでの王の行いによって恐怖政治を行ってきた政権が今後どのようになっていくかだとか、王によって処刑されてしまった人々の家族らはその後の王政に対してどのように思うかだとかという物語で語られていない箇所について気になったりもします^^;
まぁ、そこまで言ってしまうとキリが無いでしょうし、一つの文学作品としての在り方としてはこのような収まり方で終わっていても良いのかもしれませんが。
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