「デッサン初心者なんだけど、どの本から勉強していった方がいいの?」
と、そう思った事はありませんか?
あるいは、「デッサン本を何冊か買ってみたけど、どれも難しくて手がつけられなった」そう思って挫折してしまった経験があるかもしれません。
デッサンはある程度描けるようになってくれば、描く楽しみを味わうことができます。ただし、中には思うように描くことが出来なかったり、自分よりも上手い人を目の当たりにしては、コンプレックスを抱えてしまった経験があるのかもしれません。
僕自身、予備校時代は自分と同学年にも関わらずデッサンが上手な人を目の当たりにしてしまい、自分に対するいら立ちや、ものすごい劣等感に苛まれた経験がありました。
頑張っても頑張っても差は埋まらない…。
そんな苦しい時期もありました。
なので、その頃から「基本」を今一度振り返ってみてみようと思い、書店に立ち寄ってみては技術書を読み漁ったものであります。
そして、それらの中でも「この本の通りにデッサンをしておけば、基本的なデッサン方法は習得できるな」というものを紹介したいなと思います。
それが今回紹介する「デッサンの基本」です。
何事も基礎は大事ですので、その部分をおろそかにしていては上達することはありえません。分かった気になっていたら後々後悔してしまうので、基礎固めの意味も含めて手元に置いておくと便利です。
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この本を読んで実際に良かったこと
デッサン初心者の方に対して配慮の行き届いた解説
やっぱり、何といっても「わかりやすい解説」っていうのがいいですね。
難しい専門用語等が抑えられているので、小学高学年~中学生レベルでも理解できそうな内容です。巻末には「基本用語集」として簡潔にまとめてあるので、わからない語句があればすぐに調べられることが出来ますね。
ちなみに、デッサンをするうえで一番重要なことは「よく観察をすること」ではありますが、それ以前に見るべきポイントというものがあります。「アタリ」の取り方であったり、モチーフとなる物質の質感や、陰影のとらえ方などであったりといったものです。
(※「アタリを取る」といのは、デッサンをするうえで形をとるための手がかりとなることを指します。大まかに細かい線などで印を付ける事ですね)
・デッサンが上手な人がどのような視点でデッサンの対象となるモチーフを観ているのか?
・より、リアルなデッサンをしていくためにはどういった描く手順で描けばいいのか?
デッサンが上手な人にはそれなりの理由があるということです。
デッサンを上達させるために必要なこと
絵を上達させる一番の近道というのは二つあります。
・一つは「解説が分かりやすい書籍を参考にすること」
・そしてもうひとつは「上手な人の描き方を真似すること」
この二つです。
これらといったものは、デモンストレーションとして描き方のプロセスも解説してあるのでとてもありがたいです。また、静物、動物、人物を踏まえ、過去の参考作品も掲載してあるので、おおよそどの程度までデッサン力を上げていけばいいのかという指針が見えてくることが出来ます。

「デッサンの基本」より
本の一部を掲載させてもらいます。
もちろん、東京藝大を目指すのであればこの程度のデッサン力は求められる事になりますが、あくまでも参考作品なので落ち込んだりする必要もありません。
基本となるリンゴの描き方の解説
必ずと言っていいほどモチーフとして出てくるのがリンゴです。まず、これ抜きにデッサンを語ることはできないと言っても過言ではありません。
逆に言ってしまえば、リンゴの描き方をマスターさえしてしまえば、デッサンを描く際の基礎となる部分を養っていくことが出来るので、ぜひともリンゴの描き方はマスターしておきたいところです。

「デッサンの基本」より
デッサンが上手な人でも歪みやすい、楕円(だえん)の詳しい描き方の解説
楕円を描く際に、キチンと描き方を理解していないと楕円に歪みが生じてしまいます。これは最初はかたちを取るのが難しいと思われがちですが、正確に描く際に基本となる手順をきちんと理解していれば徐々に慣れてきます。
特に、コップなど筒状のものであったり、デッサンをしていくうえで円柱のモチーフは数多く出題されるため、楕円の描き方を避けて通ってしまうと後々恥ずかしい思いをしてしまう羽目になってしまうかもしれません。。
なので、ひとつずつで良いので、一歩ずつ着実にマスターをしていきたいところです。
実際に描いてみると分かりにくいところまで解説がしてあるので、とても役に立ちました。
この本のややもったいないところ
この本のデメリットは、解説が広く浅くといったところです。
入門書としてはこれといって不自由はしませんが、ある程度描きなれてくるとちょっと物足りないとも思えてくる気がします。実際、内容的にはネットサーフィンでもしていれば得られるようなところもあります。
また、モチーフの質感を表現するための線の描き方であったり、演出する際の構図の取り方などの解説に関しての記述が少なかったのかなと思いますね。今一歩、踏み込めていないというところではありますかね。
ちなみに、デッサンの入門書となると「はじめてのデッサン」も、同じくらい有名な書籍ではありますが、あくまでもゼロからデッサンを始めるといった内容なので、そこは割り切る必要があるのかもしれません。
といっても、これ1冊マスターしてしまえば人に見せても恥ずかしくないようなデッサン力を養っていく事が出来るので、基本に立ち返るという意味でも持っていると便利である事に変わりはありません。
2冊あれば、なお良しといったところですね。
それに、ネットサーフィンなんかで余計な時間をとられるよりも、効率も違いますからね初心者にとって必要な部分がまとめてあるので、ぜひとも持っておきたいものではあります。
まとめ
これからデッサンを始めようと思っているのであれば、これほど初心者にとって優しい書籍はほとんど見当たらないと思います。やはり、そこは初心者目線でもって解説を施されているため、重宝する一冊ではあります。
なので、もしあなたが
「絵が苦手だけどデッサンを始めたい!」
あるいは、
「基本となるデッサンを身につけたい!」
と思っているのであれば買って損することはありません。
僕自身、受験生当時はこういったデッサン本は数冊程度しか所持していませんでしたが、今思えば本を見返しつつ自分が苦手としているモチーフなどの描き方などを描くために参考にしておけば良いなと思いました。
なぜなら美術予備校ではデッサンを体得するための実技がメインだったので、ある程度の描き方は教えてくれる一方で、細かいテクニックや描き方の手順などは詳しくは教えてくれませんでした。
このように書籍としてまとめられている本では、デッサンの手順などを踏まえつつ詳しいチェックポイントも細かくまとめてあるので、もし自分がつまづいた時には見返す事が出来るので重宝しますね。
もし僕がもう一度美大を受験するとしたら、まずはこの本を手元に置いておきたいと思います。
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