今現在絵がプロ級に上手いとは言え、初めの頃は誰しも上手だったとは限りません。絵が上手いのは上手いなりの理由というものがあります。
それは日々の努力による賜物であったり、習慣としている事なのだと思います。
今回の記事では絵が上手い人が実際に普段から心がけている事や意識している事などを踏まえて、初心者の方がどうすれば絵が上達をするのかを自分なりにまとめてみました。
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対象となるものをよく観察する
絵を描く事が1割、モノを観察する事が9割と言われる程、観察をしていく事は大事な事です。
観察する目を養っていく事で物事の構成を理解していく事が出来るので、興味のあるものに対してはよくよく見るようにしましょう。
自分が好きだと思ったものを描き続ける
「好きこそものの上手なれ」と言いますがまさにその通りで、自分にとって好きな事でないと続ける事が困難になってしまいます。
デッサン一つをとっても「人物が苦手」「パースが苦手」「背景が面倒」など、誰しも苦手な分野というものはどうしても出てきてしまいます。そこで、苦手な分野を克服しようとするのでは無く、自分が描いていて楽しいもの、あるいは苦もなく続けられる事を優先的にしましょう。
そうする事で、得意分野を強化する事が出来ますし、かつ自分にとって必要と感じる事が出来るのであれば、苦手分野の克服も自ずとしなくてはならなくなるからです。
「努力」という言葉は個人的に好きではないのですが、楽しみながらやる努力というものは建設的な事なのでそれが望ましいのです。
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絵のテーマ・課題をあらかじめ意識して描く
目的意識を持つ事は大切です。
「今回は何を目標に絵を描くのか?」
「今抱えている課題はなんだろうか?」
自分なりに分かる範囲で構わないので、それらを一つずつ潰していく事が早い段階から上達していくための方法です。これがないとただ闇雲に描き続けてしまう為、いずれは何を描きたいのかが分からなくなってきてしまいます。
ですので、今の自分の現状を踏まえつつ、先を見据えていく努力をしていきましょう。
立体を意識して、空間的な絵を意識する
デッサンが上手く描けていない原因は空間的に絵が描けていない場合がほとんどです。
古典的な日本画など、デフォルメを施されたものには必ずしも当てはまるものではありませんが、そもそもデッサンというものは西洋の描き方がベースとなっているのです。
日本的な描き方=情緒的な絵
であるのに対し、
西洋的な描き方=科学的に解明された絵
と、なっているとされています。
空間的な絵を描く際には「パース」であったり、「遠近法」という概念を意識することによって、写実的に絵に反映してきます。
「一点透視図法」「二・三点透視図法」などの理解を深めて、制作に役立てていく事が肝心ですね。
もっとも、どちらが優れているとかではなく、自分が描いた作品に対しての説得力を持たせる為には科学的に解明されている「デッサン」を学ぶ事が必然となってくるのです。
他にも、「パース」や「陰影」の付き方などを理解し、意識して描く事で写実的な絵を描く事が出来ます。空間的な意識をしながら画面の中にあたかもモノが存在する様を描く事で絵の持つ説得力が格段に変わってくるのです。
モノの周りを取り囲む空間を意識していく事で、上達しているという事を実感していく事が出来ます。
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自分にとって最適な道具の使い方を研究する
最近ではデジタルでの絵が主流となりつつありますが、ベースがアナログの人がデジタルを扱った方が地力があります。デジタルでしか出来ない表現もありますが、それはアナログの方も然りです。むしろ、アナログである事の方が表現の幅や道具の数は膨大です。
力の強弱や、色の塗り方など。アナログでしか体感出来ない塗り方があります。
デジタルというものはそれを単純化して扱い易くしたものなので、デジタルでの表現を強化していく事にもアナログの表現というものは役に立ってくるでしょう。
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色んなものを見て触れて体験する
色んな体験というものは、デッサンをする上で様々な場面で役に立ちます。実際の経験を元にイメージを膨らませていく事が出来ますし、それによって表現する力も強化される事になるでしょう。
たくさん経験する事はとても大事な事です。
視覚に頼り切らず、五感をフルに使う
視覚から得られる情報は沢山ありますが、かといって視覚だけに頼り切るという事は非常にもったいないです。
健常者の方であれば視覚以外にも味覚・聴覚・触覚・嗅覚がありますよね?他にも実際に体験した事や思い入れのある出来事を思い出して、記憶を頼りに描写していく事であなたらしさを描く事が出来ます。
童心に戻ったつもりで取り組んでみましょう。
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画材には投資を惜しみなくする
アナログ画材は山ほどあるので、どれから手を付けていけば良いのか分からなくなりますが、自分に合った表現をしていく為には色んな画材に触れていく事が望ましいです。
アナログ画材については以前、「さあ始めよう!これからアナログ絵画を始める人に勧めたい9種の画材」という記事にまとめました。個人的に今まで使ってきた画材の中で、おススメなものを選んでおります。
これから絵を描く上で、参考にしてもらえればと思います。
憧れの人を設定する
自分が目標としている画家なり、イラストレーターなりと、憧れとしている存在というものはモチベーションを維持していくためにも必要です。
「この人はこんな描き方をしているんだ」
「面白い。自分もやってみよう」
など、描く事が楽しくなってきます。
たとえば僕の場合、池田学さんに憧れてペンでの描写を主にするようになりました。緻密な描写によって生まれる世界観というものに強く惹かれ、引き込まれていきました。
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表紙を見るだけでも圧倒的な画力であることが伺えます。。
これはデッサンに限らず、他のジャンルの事でも言える事なのではないでしょうか?
自分と張り合えるライバルを見つける
自分と張り合えるライバルの存在というものは自分自身の成長を速めます。これは僕自身感じた事ですが、同じ目的の集団の中で生活をしていると必ずと言っていい程自分と他人を比較してしまいます。
そういった中で、人の動向が気になってしまいますが一方で自分自身の立ち位置も理解する事が出来てくるのです。
模写をたくさんする
自分の個性というものを初めから発揮していく事は出来ません。人にはそれぞれ才能というものを持ち合わせてはいるものの、それを人に伝えていく為には相応の技術力が必要となってきます。
その技術を養うために適した練習法というものが『模写』です。
参考となる作品を写し取る事によって、学べる事が分かってきます。自分の能力だけでは到達する事が出来なかったとしても、他者(自分より優れている人に限り)の作品からだと得るものも大きいです。
色んな作品に触れながら、自分の中にも取り入れていきましょう。
絵を描く際は資料を見ながら描く
プロとなってくると何も見ずに描く事が出来てくるのかもしれませんが、いくら腕に自信があるとは言え、0から想像力だけで作り上げる事は困難です。
著作物をそのまま模写する事で世に出してしまうと法律違反となってしまいますが、資料として自身の画風に取り入れていく事で表現力も上がってきます。資料を参考にする事でイメージも湧きやすくなり、実際に描き易くもなってくるでしょう。
特に、「デッサンの始め方」について書かれた書籍などは、技術を鍛えていく面でも、自身の目を養うといった面でも役に立ってくるので、是非とも押さえておきたいところです。
客観的に見る視点を養う
デッサンをする上で陥りがちとなり易い事は、主観的で視野が狭くなりがちになってしまう事です。自己満足の為のデッサンであるのであれば問題は無いのかもしれませんが、デッサンを学んで絵を上達させたいのであれば必ずや人の目に触れる事になってしまいます。
人の目に触れる事によって色んな刺激を貰う事が出来ますし、客観的に見てもらう事によって自分では気付き得なかった所も見えてくるでしょう。
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色んな人に描いた絵を見せる
初めのうちは人に見せるという事に抵抗がありますが、不特定多数の方に自分が描いた絵を見てもらう事で学べる事があります。人にはそれぞれ趣味趣向が違います。自分の絵を気に入ってもらえる人もいれば反対に嫌いだと言う人も中にはいるかもしれません。
それによって凹んでしまう事もありますが、同時に色んな人の見方というものがあるのだと感じる事が出来るので、結果的に自身の成長につながります。
自分の行動したものによって、その反応を貰う事は創作をしていく上での刺激となってくるのです。
自分よりうまい人に絵を見せて意見をもらう
自分よりも絵が上手い人に見てもらう事は勇気がいる事です。
「自分なんか相手にしてもらえないかも..」
そう思えてしまうかもしれません。
とはいえ、実際に絵が上手な人は上手なりの悩みなどを抱えています。
例えば、その人にも初心者だった時期というものは存在します。今現在初心者であるあなたと同じ境遇を味わいながらも目標とする作風や作者を追いかけていった結果、今の画風を確立する事が出来たのでしょう。
しかし、いざ自分が頂点に立つ事で目標としている人物を追い越してしまい、目標を見失う事も多々あります。そんな時に先に進んだ先輩として自分を慕う人に教えていく事で自身を振り返るきっかけとなってきます。
お互いにとって良い刺激となり得てくるので、もし身近にそういった一歩先に進んだ存在がいるのであれば一言声をかけてみましょう。
可能な限り毎日のように絵を描き続ける
「継続は力なり」と耳にタコができるほど言われていますが、継続をし続けていると徐々に上達しているという実感が湧いてきます。
少なくとも経験値として積み重なっていくので、自信にも繋がってきます。
一方で、ただ闇雲に絵を描いているのでは大した進歩を望む事が出来ません。
時間というものは限られているので、目標も無くやり続けていくと成長は愚か、モチベーションも徐々に削がれてしまって辞めてしまいます。
毎日続けるだけでもほとんどの人は諦めてしまいますが、継続出来ているという事はそれだけでも財産です。
まとめ
誰しも初めは初心者でした。
今現在プロ級に絵が上手い人は相応の努力をしてきた結果、今の画力を習得する事が出来たのです。
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個人的にかなり気になっていた本です。闇雲にデッサンをがんばったところで、思うように絵は上手くならないんだなと思わされますね。(まんま本のタイトルですが・・)
基本的な手順を踏まえていけばデッサンは上達させることは出来ますが、そこには個人差があります。
ぼくが予備校、美大と通ってきた中で見てきたのは、同んなじ講義・同んなじデッサンを重ねたとしても、デッサンが上手くなる人・伸び悩んでくる人それぞれいます。これはセンスの良し悪しもありますが、実際にはその人それぞれに適したやり方があり、それを作品として昇華させていくやり方も千差万別です。
つまるところ、本人にしか知り得ないクセなんかを自分なりに理解していくことで、より自分に合った方法論が見えてくるでしょう。
「自分はデザイン思考?それとも、アーティスト思考??」
様々な実例を元にカテゴリー化もされているので、「自分はどのタイプなのか」を理解した上で、自分なりの表現方法を模索してみてはいかがでしょう?
単なる読み物としてもおもしろいですが、この本から実際に得られることは思っていた以上に多い事でしょう。
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