デッサンの目的とは?絵の初心者が知っておきたい6つの項目

デッサンとは

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デッサンとは何か?

絵を描く人のほとんどが無意識の内に使っている「デッサン」という言葉はそもそもどのような事を指すのでしょうか?恐らく多くの人は漠然とデッサンは「絵を描く事」と、答えるかもしれません。ただ、「絵を描く」という事の類義語はいくつかあります。

 

例えば他にも「ペインティング」「ドローイング」「イラスト」あるいは「素描」など。「絵」というものに共通する所はあれど、それぞれの行為に若干の定義の位置づけが変わってきます。

今回はそれらを踏まえて「デッサン」という言葉について、自身の経験を振り返った上で記事をまとめていきます。日本画、油絵などの絵画に関するものだけでなく、アニメーション、漫画等などの絵を主体とするものを手がけている人にとって役に立ててもらえたら幸いです。

 

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デッサン力はなぜ必要か?

デッサンについて

デッサン力を培っている人とそうでない人の絵を見ると一目瞭然で、それがあると無しではデッサンの狂いがすぐに見て取れてしまいます。

例えば、人物を描く際にも筋肉の付き方であったり、全体のバランスから顔の表情など、不自然に見えてしまったりしてしまいます。

デッサンの教養がある事によって、その「不自然さ」という箇所を認識して修正を加えていく事が出来ます。ここで理解が出来ていないと、指摘されない分には自分で分かり得なくなってしまうので、そうでなければ第三者的な立場から指摘してもらう必要性が出てきます。

 

デッサン力がある事で、より「自然」な表現をする事が出来、かつ多くの人の支持、納得を得られるような絵作りをする事が出来てくるのです。

 

 

デッサンとは本質を捉える事

物事の本質を見いだす

 

大きな枠組みの中でデッサンとは、自分が描こうとしている対象物に迫る行為だと言えます。すなわち、モノが存在している成り立ちを自分なりの解釈で読み取っていく行為に他なりません。

もちろん、対象となるモノ(モチーフ)を見たままの形で描くという事が必然的な事ではありますが、そのモチーフが抱えている背景までも読み取る行為が、より理解を深める事が出来てきます。

 

僕自身、予備校時代の講師の方に言われた事は、

「デッサンを上達させたいのであれば観察する事が大事」

という事でした。

 

モチーフを観察するという事はすなわち、様々な視点から分析を繰り返す行為に繋がってきます。

たとえばリンゴ一つをとったとしても、実際にデッサンをする際に地図記号のように丸を描いて棒を一本付け足すだけではリンゴをデッサンしたとは言えません。リンゴの構成であったり、リンゴが持つ特徴を意識し、それらを踏まえながら目で見たものを描き写していかなくてはならないのです。

 

「リンゴは甘いが酸っぱい事もある」

「リンゴは球体のような形をしているが実際には輪切りにすると5角形で構成されている」

「有機的な形をしているため、中心線を引くと左右対称ではなく独特なねじれがある。

 

など、リンゴに対しての観察をしていくと色んな発見をしていく事が出来ます。「デッサンをする上でイメージする事の大事さ」の記事でもまとめてありますが、描き手の経験してきたことによって、作者にしか描けないものが出来あがてくるのです。

デッサンなどとは無縁で普段の日常生活をしていく上ではあまり意識をした事が無いかもしれません。せいぜい、ダイエットの必需品だと思い込んだり、デザートやお菓子作りをする上での具材の一部として考えるくらいでしょう。

一方でデッサンは画用紙に描き写す事で意味していくものなので、普段よりも刺激を得る事が出来、モノを見る目を養っていく事が出来るのだと思われます。

 

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デッサンと素描

絵を描く事

 

デッサンはフランス語(dessign)である事に対し、日本語では素描と表記します。また、英語ではドローイング(drawing)となっています。

これらは、物体の形体、明暗などを画面上に表現をする美術制作についての事を指します。平たく言うと、主にペンや鉛筆、コンテなどで描かれているものはデッサンと言えます。

 

ただし、デッサン・素描は実際に明暗までを塗っていく作業など広い意味を指す事に対し、ドローイングは線だけで描かれる絵であるとも言えます。

建築の設計図は線で表現をする事から「ドローイング」と用いられる事になります。また、一方でペインティング(painting)という言葉もあります。これはデッサンが線画を含むものに対し、ペインティングは絵の具で面を塗る作業での事を表しています。

 

「ペインティング」よりも、「デッサン」という言葉の方が広い意味で使う事が出来るため、割合的には使用頻度はそれほど高くありません。

 

デッサンとイラストは違う!?

イラストとは

 

一般的には「イラスト」という言葉が普及されていますが、正確には「イラストレーション」の略となっています。どちらかと言えば、日本人にとってはデッサンよりもイラストの方が馴染みが深いかもしれませんね。

 

それはやはり文化的な所が大きく関係していると言えます。

例えば、文化的に言えば油絵や水彩絵画などといった陰影に重点を置いているものよりも漫画や本の挿絵などといった、線画を主体とした絵の方が広く普及されています。

日本では広く知れ渡っている漫画などは絵画というよりもイラストに近い立ち位置と言えるかもしれません。

 

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イラストを描くにもデッサン力は必要

デッサン力の必要性

デフォルメを施されたイラストなどを見てもらうと、一見、陰影表現を主としているデッサンは重要では無いと思われがちではあります。

 

しかし、現段階において世の中のほとんどの完成されたイラストというのはデッサンをきちんと成されているものであって、口を挟む隙間が無い程完成されていると言えます。

それはたとえ3頭身などといったデフォルメされたキャラクターだとしてもデッサンの基本的な概念を抑えた上での表現領域となっています。

 

基本的な造形を理解出来ていないうちからデフォルメされたキャラクターを描くという事は、
あくまでも表面的なデザインとなってしまいます。

 

例えば、物体の影の付き方を理解していないにもかかわらずイラストを描く事によって絵に統一感がなされなくなってしまう事に繋がりかねません。人物で言えば、骨や筋肉の付き方がおかしくて無理な方向に腕が曲がってしまっていたりと悲惨な結果に成りかねない事になってしまいますね。

デッサンを理解するという事は言い換えると科学的な観点からのアプローチを施していくという事で、それは表現される絵の説得力を上げる事にも繋がっていきます。

なので、もしデッサンの技術を身につけるのであれば「デッサンを学ぶ上でのおすすめ書籍8冊の記事にまとめてあるので、そちらを参考にしてみてください。

イラストは言うなれば現実にあるモノを簡素化して記号のようなモノとして位置づけられています。最近では中には写実的な表現に重きを置いたイラストなどイラストの定義というものが難しくなりつつもありますが、イラストに重点を置いた絵を描きたいのであれば写実的な絵を追い求める必要は無いという事です。 

 

デッサンとスケッチとクロッキーの違い

デッサンとスケッチの違い

最後に、余談ではありますがこれらの違いについて自分なりの解釈をしておきたいと思います。先ほども言いましたが、「デッサン」は絵を描く際において線画から明暗、空間の描き込みなど、幅広く使われる事となります。

一方で、スケッチとクロッキーに関して言うと、スケッチはデッサンをする上でのイメージを短期間で描き写していく事であり、クロッキーはコンテと呼ばれる細い棒状のクレヨンを使って大まかに描く事になってきます。

 

両者に共通して言える事は、短時間の間に自分が描きたいものを描けるかという事です。

 

多少、荒削りで雑な印象をもってしまったとしても、目的が正確な描写をする事ではないので、デッサン力を付ける際の練習にはなってきます。

また、物事を単純化して考えを整理していく事も出来るので、デッサンとスケッチらに関しては別の描画法として捉えておくと良いでしょう。

 

まとめ

デッサンについて一通り調べた事を含めて書き連ねていきました。

普段、絵を描く際に無意識の内に使ってしまう「デッサン」という言葉に関して理解を深めていく事で、より深い表現をしていく事に繋がっていく事になってくるでしょう。

 

意識しているのと、そうで無いのとではやはり思い入れも薄くなってしまう傾向があるので漠然とデッサン力を鍛えたいというだけでなく、こうした予備知識を含めた上でデッサンをしていく事によってデッサン力を培ってもらえたらなと思います。

 

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「好きな事を気ままに」をモットーに日々を生きております。美大を卒業後、現在はブログでの生活を模索中。ブログと同時進行で絵の制作もしております。このブログでは、絵の描き方についてであったり、なるべく自分がやりたい事をやって生きていく為の方法について書いています。最近は日本の文化・行事についても興味があります。これを読んでいるあなたに、何かしら参考になる記事があれば幸いです。